実施要項

第1章 本コンテストの実施条件

  • はじめに

    本実施要項(以下「本要項」といいます。)は、Japan Innovation Challenge 2016コンテスト(以下「本コンテスト」といいます。)におけるルールを定め、また、本コンテストの参加者を含むすべての関係者が安全に本コンテストに臨むことを目的としています。ルールの不備や不明点がある場合には主催者に連絡していただけますようお願いいたします。
  • 用語

    本要項において使用する用語の定義は以下のとおりとします。

    (1)本コンテスト
    本要項に従って開催が予定されているロボットコンテスト(Japan Innovation Challenge 2016(商標出願中))をいいます。
    (2)主催者
    本コンテストを主宰するJapan Innovation Challenge 2016実行委員会をいいます。
    (3)チーム
    本コンテストの参加者である、1人あるいは複数の個人、法人又はその他の組織からなる参加単位をいいます。
    (4)実施会場
    下記「コンテスト実施会場」記載の本コンテストの実施会場をいいます。
    (5)競技課題
    本コンテストの競技課題として設定された山の遭難救助における「発見」・「駆付」・「救助」の3つの課題をいいます。詳細は、第2章競技の内容「■競技課題」に記載のとおりです。
  • 目的

    本コンテストの目的は、ロボット技術の適応例として災害が発生した際の支援という具体的な実用例を提示することにより、日本のロボット産業における製品化に向けた研究・開発を加速することです。また、本コンテストの各競技課題を達成したロボット又はロボットを含むシステムが将来的に全国に配備されることにより、少しでも救える命が増えることを期待しています。
  • コンテスト実施期間・時間

    1.実施期間
    本コンテストの実施期間は2016年10月17日(月)~10月21日(金)(以下「実施期間」といいます。)の月曜日から金曜日とします。
    但し、実施期間中に降雪が観測された場合等、安全のため必要があるときは、実施期間中であっても繰り上げ終了する場合があります。
    2.実施時間
    本コンテストの実施時間は実施期間中の各日の午前10時から午後4時とします。
    各チームは各日の午前9時から準備を開始することができます。競技終了後は、各日午後5時(以下「会場退出期限」といいます。)までに実施会場から退出を完了してください。
    3.参加期間
    本コンテストに参加する各チームは、初日(2016年10月17日(月))の参加は必須です。なお、2日目以降の競技への参加・不参加は任意とします。
  • コンテスト実施会場

    北海道上士幌町有林(上士幌町字上音更166・167番地)
  • 参加資格

    本コンテストへの参加を希望するチームは、以下の条件をすべて満たす必要があります。なお、学生と企業や、複数企業による合同チームによる申込みも可能です。

    (1)チームのメンバーが法人のみの場合には、メンバーである法人のうち少なくとも1社以上が日本法に基づき設立され、存続していること。チームのメンバーに個人又は法人以外の組織が含まれる場合には、当該個人又は組織の構成員の少なくとも1名以上が日本に住民票を有していること。
    (2)チームのメンバーである個人、企業、その他の組織及びそれらの構成員に反社会的勢力に属する者が含まれていないこと。
    (3)2016年10月14日0時までにコンテストの公式HP(www.innovation-challenge.jp)から事前の登録を完了すること。
  • コンテスト参加費用

    本コンテストへの参加費用は無料とします。
    ただし、コンテストの参加に伴いかかる交通費、宿泊費、食費その他の費用は、チームで負担いただきます。
  • 競技形式

    本コンテストは、「発見」「駆付」「救助」の3つの競技課題により構成されます。各チームは、これらの3つの競技課題のいずれかに参加しなければならないものとします。
    各競技課題の具体的な内容は下記の「■競技課題」欄の記載をご確認ください。
  • 賞金

    1.本コンテストにおいて設定された「発見」「駆付」「救助」の3つのそれぞれの競技課題を初めに達成したチームに、その競技課題ごとに以下の賞金を付与します。実施期間中に達成するチームがなかった場合の賞金は、次回のコンテストに持ち越されます。
    • 課題1「発見」の賞金50万円(毎日1組)
    • 課題2「駆付」の賞金500万円(期間中1組)
    • 課題3「救助」の賞金2,000万円(期間中1組)
    2.賞金の受け取りの拒否はできません。
    3.達成の判定は到達基準に基づき主催者が行います。主催者の判定に不服がある場合は、不服の対象となる競技課題への参加チームに限り、主催者に対し不服を申出ることができます。主催者は、不服の申出を受けたときは、その裁量により、必要に応じて再度判定を行う場合があります。
  • 使用可能な施設

    1.各チームは、実施会場近くの旧北門小学校(現在は使われていない小学校の教室を予定しています。以下「使用可能施設」といいます。)を無償で使用することができます。使用可能な教室は複数ありますが、場合によっては相部屋になる場合があります。
    また、使用可能施設ではインターネット(有線・無線)、電源設備、暖房設備を使用することができます。
    2.駐車場は、1チームにつき1台分を実施会場に用意します。
    3.使用可能施設は本コンテストに参加するチームが使用することが予定されています。騒音や電源設備の使用等を含め、他のチームに配慮して迷惑にならないように使用してください。
    4.使用可能施設における所持品の紛失、その他の事故等について、主催者及び本コンテストの関係者は一切責任を負いません。貴重品等は各自で管理してください。
    5.技術情報及び資料・機器の管理についても、各チームが自己の責任で行ってください。特に、特許化を想定している、あるいはノウハウとして秘密に管理している重要な技術情報に関するデータや資料・機器は、他のチームがアクセスできない状態で厳重に保管してください。技術情報の漏洩等についても、主催者及び本コンテストの関係者は一切責任を負いません。
    6.宿泊施設の斡旋は行いませんので各自予約をお願いします。
  • 事故防止及び公衆衛生のための措置

    1.事故防止のために、各チームはそれぞれの競技日の競技開始の1時間前までに以下の内容を含む安全対策に関する書類(以下「安全対策資料」といいます。)を提出しなければならないものとします。提出期限までに安全対策資料を提出しないチームは、本コンテストへの参加が認められません。
    • (1)ロボットが人に危害を与えないための措置
    • (2)ロボットが他のチームのロボットに危害を与えないための措置
    • (3)ロボット自体が紛失・破損等しないための措置
    • (4)ロボットが仮想フェンス外に出た場合の停止措置
    主催者は必要に応じて、提出された安全対策資料の説明を求めることがあります。その際、チームは主催者に対し説明を行う必要があります。競技中に故障事故等でロボットが仮想フェンス内で動けなくなった場合、主催者が回収します。
    2.主催者では食事の用意は行いませんので各チームで食事の手配を行ってください。
    発生したゴミは持ち帰り、適切な場所で処分してください。
    3.チームのメンバー(チームを構成する法人又は組織の構成員であって、本コンテストに実際に参加する者を含みます。)及び観覧者は、賠償保険、動産保険(1チームあたりロボット3台まで登録可能)に加入するものとします。なお、加入費は主催者が負担します。
    4.悪天候等の安全上の理由により主催者の判断により、競技を中止あるいは途中中断する場合があります。
  • 本コンテストの観覧

    1.本コンテストを観覧する場合の入場料は無料です。
    2.本コンテストの観覧者は、主催者が用意する観覧席を使用してください。観覧席ではネット等の設備を用いて安全を確保します。安全確保のため、観覧席以外での観覧は禁止します。
    3.インターネットでも本コンテストの観覧環境を整備します。

第2章 競技の内容

  • 設定シナリオ

    帯広氏はある晩秋の日に登山に行っていた。
    初めての山であったが登山経験もあるため、単独で登頂を行った。
    予定より遅れて15時に頂上に着き、すぐに下山を始めていた。
    午後16時頃急に天候が変わり、雪が降り始めた。
    午後16時半には、雪は吹雪に変わり道に迷った。
    午後17時に携帯電話にて救援を呼んだ。
    現在地は不明であったため、場所は伝えられなかった。
    食料も水も朝を迎えるには十分持っている。
    雨等の悪天候に備えてレインコートは持参していたが、雪を想定していなかった。
    そのため、体温が下がっていくことを止められない。このままでは凍えてしまう。
    ヘリコプターは悪天候のため捜索に向かえない。
    救助隊はすぐに日没となるため入山できずに翌朝に備えている。
    その後携帯電話は、電池が切れたのかつながらなくなった。
    そこで救助隊は、ロボットを利用した救助を試みることにした。
    翌朝の救助のこともあるため、帯広氏の位置を把握することをまずは試みる。
    位置を把握できた場合は、救助ロボットを送り込み救出を試みる。
    骨折等のためロボットで連れて帰ってくることができない状態も考えられるため、その場合には無線機、簡易テントや毛布等の物資を置いてくる。
    時間との勝負です。いち早く発見し安全に連れてくることが必要です。さあ、ロボットの出発です。
  • 全般の基準

    1.ロボット(ドローンを含みます。)の操作・活動は、日本国の法律を遵守する必要があります。
    2.チームは本コンテストが安全に実施されるために、安全対策等の配慮を十分に行うものとし、主催者からの指示に従います。
    3.チームのメンバーが禁止事項を行った場合、当該チームは以後の競技に参加できません。
    4.すべてのロボットは、コンテスト中(各日の午後4時まで)は、仮想フェンス内にとどまる必要があります。
    5.仮想フェンスは、約20の頂点を持つ多角形で構成されています。
    6.すべてのロボットは、位置追跡のために200g程度のタグを装着する必要があります。
    すべてのロボットは、コンテスト実施期間中、主催者によって位置を計測され、その状況を上空からドローン等で撮影される可能性があります。
  • 使用するロボットに関する基準

    1.本コンテストで使用するロボットの原価に制限はありません。
    2.本コンテストの競技中、ロボットは有線での操縦を行ってはいけません。
    3.コンテストで使用するロボットの台数は問いません。
    4.ロボットの操縦は手動・自動を問いません。
    使用する無線周波数については法律に基づいたものを使用してください。
    主催者はチーム間での無線周波数の調整を行いません。
  • 課題全般を通じたルール

    1.遭難者に見立てたマネキンは、競技開始前までに実施会場のいずれかの位置に設置されます。
    2.設置場所は毎日変更される可能性があります。
    3.競技開始時にマネキンの設置場所は開示されません。
    マネキンの設置場所を不正に突き止めることは禁止です。
    マネキンの半径3mの範囲で上空10m以内にロボットが侵入することは禁止です。
    4.チームは前日までにロボットから放出した機器やタグ等を利用することはできません。
    5.チームは、ロボットの操作を山麓に設けられた本部スペースで行う必要があります。
    チームのメンバーが仮想フェンス内に入ることは禁止です。
    6.チームは主催者の開始の合図以降にスタート地点からロボットを起動します。
    スタート地点は十分な広さを持ちますが、複数のチームがスタートするため衝突等に注意が必要です。衝突回避はチームに任せられます。
    7.1チームにつき1枚、スタート地点に1m×1m程度の板を設置することができます。
    8.本コンテストの競技中、ロボットは仮想フェンス内にとどまる必要があります。ただし、ロボットの充電や修理のためスタート地点に戻ることは可能です。
    9.ロボットが仮想フェンスを越えた場合、ロボットが自動的に停止する機能を備える必要があります。ロボットが仮想フェンスを越えて停止している場合、主催者が回収します。
  • 競技課題

    1.課題1「発見」
    課題1は、実施会場に設置されたマネキンを発見し、位置情報と写真を取得するという課題です。そのルールの概要は以下のとおりです。
    • (1)マネキンの場所を発見したチームは、位置情報(緯度・経度)とマネキンの写真を取得し、その位置情報と写真を、主催者のメールアドレス宛に送信し、問合せを行うものとします。
    • (2)マネキンの位置は、マネキンの頭を基準とし、緯度経度の誤差は、±30mまで許容するものとします。
    • (3)主催者は、チームからの問合せから5分以内に、正誤判定の結果をメールで送信します。
      正しかった場合には、その情報はすべてのチームにメールにて伝えられるものとします。
      誤った位置情報であった場合は、当該チームにのみ結果が配信されるものとし、当該チームはペナルティとして以後10分間は問合せができないものとします。
    • (4)スタートから61分経過した時点で、どのチームも達成しない場合は、マネキンの位置はすべてのチームにメールで伝えられるものとします。
    • (5)ロボットは、重量100g以内の物体を外部に放出することは可能とします。ただし、回収可能なものであり、環境に影響を与えないものである必要があります。
    <達成基準>
    • (1)スタートから60分以内である。
    • (2)マネキンの正しい写真、位置情報がメールで主催者に伝えられる。
    • (3)送信されたマネキンの位置情報(緯度経度)が正しい位置の±30m以内である。
    2.課題2「駆付」
    課題2は、レスキューキット(無線機や毛布等を想定した重さ3kgの箱状で主催者より貸与される)をマネキンの周囲3m以内まで運ぶという課題です。そのルールの概要は以下のとおりです。
    • (1)レスキューキットを運ぶロボットやレスキューキットを上空から落とす場合には、マネキンの周囲50m以内に物体を落とすことは禁止とします。
    • (2)達成したチームがいた場合には、その情報はすべてのチームにメールで伝えられるものとします。
    <達成基準>
    • (1)スタートから180分以内である。
    • (2)マネキンの周囲3m以内にロボットが到着する。
    • (3)レスキューキットをマネキンの周囲3m以内まで運ぶ
    3.課題3「救助」
    課題3は、マネキンを救助し、スタート地点から10m以内まで搬送するという課題です。そのルールの概要は以下のとおりです。
    • (1)課題3のみの参加も可能です。課題1,課題2から取り組まなければならない義務はないものとします。
    • (2)いずれかのチームに優先権が付与された場合には、すべてのチームにメールで伝えられるものとします。
    • (3)優先権が付与されたチーム以外は、その日のコンテストの継続実行権利を失うものとします。
    • (4)主催者は、マネキンの搬送完了後に加速度計・温度計の記録から搬送中にマネキンが受けた衝撃と搬送中の温度を確認するものとします。
    <達成基準>
    • (1)スタートから360分以内である。
    • (2)マネキンをスタート地点から10m以内まで搬送する。
    • (3)マネキンは25℃~30℃で外気から隔離された空間に格納した状態で搬送する。
    • (4)搬送中にマネキンの受ける衝撃は、上下左右前後方向に1G未満とする。
  • 競技終了

    (1)競技終了後は、会場退出期限までに撤収を完了する必要があります。現地に残されたロボットは、主催者により回収され順次チームに返却されます。
    (2)競技終了後、チームが仮想フェンス内に立ち入ることは禁止です。
  • 遭難者を想定したマネキンに関する情報

    (1)人型(男女の区別なし)
    (2)表皮はプラスチック製
    (3)服を着ている
    (4)場所によっては30℃程度の温度を持つ
    (5)頭部から2酸化炭素を放出する
    (6)心臓付近で鼓動する物体を有する
    (7)加速度計、温度計、GPS装置を胸部に保持する(但し、チームはこれらの装置から得られる情報を利用することはできない。)
    (8)重量50kg程度
    なお、2016年8月から参加登録者への貸し出しを予定します。
  • レスキューキットに関する情報

    (1)外形は四角(幅200mm×奥行200mm×高さ200mm)
    (2)重さ3kg
    (3)木製の箱で、ある程度の衝撃には耐えられる。
    (4)GPS装置を保持する。(チームはこれらの装置から得られる情報を利用できない。)
    なお、2016年8月から参加登録者への貸し出しを予定します。
  • 禁止事項

    本コンテストに参加するチーム及びそのメンバーは、以下に掲げる事項(以下「禁止事項」といいます。)を行うことはできません。本コンテストに際し、チーム又はそのメンバーのいずれかが禁止事項に抵触した場合、当該チームは、本コンテストへの参加資格を失うものとします。
    (1)本コンテストの進行及び他のチームへの妨害行為(物理的な進路妨害や妨害電波等の放出等を含みますがこれに限られません。)
    (2)不正な方法による競技課題への参加
    (3)主催者の指示に反する行為
    (4)本コンテストのルール、本要項等に違反する行為
    (5)故意による実施会場及びその施設、設備等の破壊行為
    (6)主催者、他のチーム又は第三者の財産、プライバシー等を侵害し、又はそのおそれのある行為
    (7)法令に違反する行為
    (8)その他、前各号に準じるものとして主催者が不適切であると判断した行為
  • 本コンテストの中断

    以下のいずれかの事項が発生した場合、主催者は、その裁量により、本コンテストを中断することがあります。
    (1)本コンテストの参加者又は観覧者等に事故、怪我など重大な支障が生じたとき
    (2)地震、火災等の自然災害等が発生したとき
  • 紛争等についての免責

    1.本コンテストに関連して、チーム間、チームのメンバー間、又はチーム若しくはメンバーと第三者との間において紛争等が生じた場合であっても、主催者は一切責任を負いません。
    2.本コンテストに関連して、チームメンバー、観覧者やロボット等の機器等に事故その他の損害が生じた場合であっても、主催者は一切の責任を負いません。本コンテストの参加に当たっては、チームや観覧者自身が安全に十分配慮していただくようお願いいたします。
  • 著作権等

    1.チームの開発したロボットその他の機器に対して、主催者側は著作権、特許権等の権利を主張しません。
    2.本コンテストの課題達成者は、「Japan Innovation Challenge 2016」の名称を使用することができます。なお、当該名称の使用の条件は別途主催者が定めるものとします。
  • メディア取材

    2.開示したくない技術情報・機器等がある場合は、各自の責任で覆い等を行ってください。
  • 申請等

    ドローンの利用に関する一括申請は関係省庁と調整中です。
  • 改訂履歴

    2016/10/13 FAQ追加
    2016/9/21 FAQ追加
    2016/8/19 1.5 レギュレーション変更(日程の短縮、課題1は毎日賞金が発生)
    2016/8/4 1.4 レギュレーション変更(ロボットの原価制限なし、課題3からの参加可能)
    2016/7/14 1.3 協賛を追加(株式会社JTB西日本、株式会社トラストバンク)
    2016/7/1 1.2 レスキューキットの重量変更(10kg→3kg)、後援追加
    2016/6/20 1.1 開催地、応募フォーム追加
    2016/6/3 1.0 初版